浮気調査と証拠

浮気調査をする目的はだいたい2つ。「証拠をもとに二人で話し合うため」か、「慰謝料や養育費の交渉を有利にするため」です。

前者の場合、自分で集めた証拠(携帯メールや写真、レシートなど)だけで済む場合もあるかもしれません。しかし、後者のように裁判で証拠として使用したい場合、自分で見つけ出した証拠だけではほぼ足りないでしょう。

裁判で離婚請求をする際に有効な証拠とは、「性行為(肉体関係)を確認ないし、推認できる証拠」と定められています。浮気を疑われるメールのやり取りには会う場所や時間がでてきますが、それだけでは肉体関係があったことを証明できないのです。

離婚裁判の証拠として最も有効なのは、浮気相手とラブホテルに出入りする写真や映像です。また、自宅での夫婦のやりとりの中で、配偶者が発言した不貞を認めるような言葉を、ICレコーダーに録音したものも証拠になりえます。ICレコーダーへの録音は、自分でも細心の注意を払えば成功することがあると思いますが、写真や映像の証拠を自分で集めるのは容易ではありません。

顔が知られた相手の尾行をうまく行うのは、プロの探偵でも難しいものです。勘がいい相手なら不思議なことに何となく不穏な空気を感じて行動を変える場合さえあります。
さらに、人物の顔と場所をはっきり写真や映像に収めるためには、さまざまな機材が必要です。ビデオカメラや一眼レフ、暗視カメラなどがすでに自宅にある人はそういないでしょうから、購入しなくてはならなくなります。

調査の手間や難しさ、機材の購入費用を考えると、浮気調査はやはりプロに依頼すべきでしょう。浮気調査を得意とする探偵なら、相手が車で移動しようと、天候が悪かろうと、確実に証拠をレンズに収めます。先に言ったように、浮気相手とのメールのやり取りや、ラブホテルのレシートなどは証拠として不確実なため、裁判では状況証拠にしかなりません。
しかし、状況証拠がまったく役に立たないかというとそうではありません。探偵が撮影した現場写真や報告書、それに加えてあなたが集めた状況証拠が多数あれば、確実に交渉を有利に進められます。ですから、浮気を疑ったら冷静に自分ができる範囲で小さな証拠を集めることです。

浮気をされると心に深い傷を受けます。しかし、あなたや子どもさんにとって何が本当に幸せなのか考えた時、離婚という結論に至ったなら、慰謝料や養育権、養育費を得ることをためらわないでください。相手をこらしめたくなるかもしれませんが、大切なのはあなたや子どもさんの未来です。本当の幸せをつかむための第一歩は、冷静な心で確実な証拠を得ることです。